ぎっくり腰(ギックリ腰)対策マニュアル(発生~72時間)
ぎっくり腰になってしまった。
[ サマリー]
ぎっくり腰になったら、まずは、
・ 手元に携帯電話等の連絡手段を確保し、助けてくれそうな人を探す
・ 腰を冷やすこと(アイシング)ができる状態を確保する
※ 救急車は、発熱、嘔吐、腰以外の激痛などぎっくり腰以外の症状がない限り、呼ぶことは控える。
- アイシングの方法: アイスパックを作って、20分間、90分程度の間隔で断続的に冷やす。
- 起き上がりの方法: 横向きに腹筋・背筋を使わないようにゆっくり起き上がる。
ぎっくり腰(急性腰痛症)はいつ何時襲ってくるかわかりません。自宅、会社、出先などで、くしゃみや物を取ろうとした時などちょっとしたきっかけで発生します。
発生時は激痛を伴いますので、全く動けない状態になったり、動けたとしても這いつくばるのがやっとだったり、特に初めての場合、大変な思いをします。
ぎっくり腰発生から72時間までの過ごし方について情報をまとめてみましたので、参考にしてください。
[ ぎっくり腰発生直後 ]
ドイツ語では「魔女の一撃」と呼ばれるほど、激痛があなたを襲います。
徐々に痛みが増し一旦全く動けない状況になる場合もありますので、まずは、
(1) 手元に携帯電話等の連絡手段を確保し、助けてくれそうな人を探す
(2) 腰を冷やすこと(アイシング)ができる状態を確保する
(3) 起き上がり方を知る
ことが重要です。
自宅でそれもご家族の方がいらっしゃる場合にぎっくり腰になったのであれば良いのですが、一人暮らしの方や外出先で発生した場合、本当につらく、焦ります。
[ 救急車を呼ぶかどうか ]
ここで、問題になるのが、救急車を呼ぶかどうかです。
一般的に腰の痛みだけで、内臓疾患等が疑われる場合※1以外、救急車を呼ぶのは控える方が良いと考えられています。救急車は命に関わる緊急性の高い症状の方のためにありますので、ぎっくり腰は、命に別状はなく時間が経てば回復することがほとんどのため、そのように考えられています。
また、救急車かどなたかに連れられて救急病院に行ったとしても、ぎっくり腰であれば、湿布や痛み止めをもらって帰らされることが多いです。一人暮らしの方が、鍵も開けられない状況で救急車を呼んだとしても、救急隊員は鍵を壊して家の中に入ることはできません。結局回復を待つことになりますので、家にいても、救急車で病院に行っても、その分だけつらいということになります。
※1. 以下の症状がある場合は、早いタイミングで病院で診察してもらいましょう。
(1) 最近大ケガをした(高いところから転落した、交通事故にあったなど)
(2) どんどん痛みが増してくる、痛みの絶え間ない
(3) 夜間に痛くなってくる、楽な姿勢が探せない、動きと痛みが無関係
(4) 発熱、冷や汗がでる
(5) 腰ではなく胸部が痛い
(6) 大きな病気、長期の薬物使用歴がある
(7) 横になっていても、強い痛みが続いている(寝返りなど動作時は除く)
(8) 足にしびれや麻痺がある
(9) 排尿や排便に異常がある
※ 嘔吐や腰以外に激しい痛みがある場合は、救急にかかりましょう。
[ アイスパックの作り方とアイシングの方法 ]
1. アイシングとは
「スポーツなどによるケガの予防や疲労回復、応急処置として氷や水などを用いて身体を局所的に冷やすこと」
2. アイシングの効果
- 痛みを和らげる
- 炎症を最小限に抑える
- 筋スパズム(筋肉が一部分血流不全などによって硬くなった状態)を抑える
3. アイシングの方法
(1) 何で冷やす?
氷を利用するのがベスト(凍傷予防のため、食品用保冷材は使用しないでください)
(2) 冷やす時間は?
1回につき20分(凍傷予防のため、20分以上は冷やさないでください)
(3) どうやって冷やす?
アイスパックを直接肌にあてる方法が最も効果的です。
アイスパックの上からバスタオルや食品用ラップなどで、腰を覆うように巻いて、はずれないようにします。
(4) いつ冷やすのが良い?
StageⅠ~Ⅱ(発生直後から72時間まで)までは、90分から120分間隔で繰り返します。
StageⅢ(発生後3日~5日)になれば、動いた後や入浴後、寝る前、腰に熱感を感じた時などに行うとよいでしょう。
※ どうしても耐えられない方、寒冷アレルギーや寒冷蕁麻疹(冷やすと赤く腫れて痒くなる)がある方は、アイスパックをハンカチやガーゼなどを介してあてるようにしてください。
4. アイスパックの作り方
(1) ビニール袋に4割程度氷を入れる
(2) 家庭用冷蔵庫の氷を使用する場合は、氷を一度水で濡らしましょう(凍傷予防)
(3) 水を切って袋を平らにし、袋の中の空気を吸って出来るだけ抜きます
(4) 空気を抜いたまま袋を閉じます
(5) 完成
(6) 袋が小さい場合は、2~3個作って痛む場所全体を冷やした方が効果的です
※ 外出先でも、コンビニやドラッグストアで氷を調達し、そのまま腰を冷やすことで痛みが和らぐ場合があります。
5. アイスパックで冷やしてみよう
(1) 作ったアイスパックとバスタオルを準備します。
(2) 準備したアイスパックを患部に直接あてます。
(3) アイスパックをあてたまま、バスタオルの上に横向きに寝転がります。
(4) 下に引いていたバスタオルを体に巻きつけ、アイスパックを固定します。
※ 1回につき20分(凍傷予防のため、20分以上は冷やさないでください)
StageⅠ~Ⅱ(発生直後から72時間まで)までは、90分から120分間隔で繰り返します。
StageⅢ(発生後3日~5日)になれば、動いた後や入浴後、寝る前、腰に熱感を感じた時などに行うとよいでしょう。
[ 起き上がり方 ]
無理はいけませんが、トイレや食事など動ける範囲で動くことが重要です。
動くことができるのに、完全に安静にしてしまうと、かえって治りを遅くしてしまいます。
ここで起き上がり方を覚えて、なるべく痛みが少ない形で起き上がれるようにしましょう。
1. ベッドから起き上がる
※ お腹に力を入れることは良いですが、腹筋や背筋を使わず起き上がるようにします
(1) 横向きになります
(2) 両腕でマットを押し、上半身を起こします
(3) 同時にひざ下を床に降ろしていきます
(4) 足が床に付いたら、ゆっくりおしりをマットから持ち上げます
(5) 最後に上体を起こします
2. 布団から起き上がる
(1) 横向きになります
(2) 下になっている腕と下半身を徐々に縮めながら、その腕と足を立てていき四つん這いになります。
(3) その位置から椅子などの支えがある場合は、それを支えに立ち上がります。
(4) 支えがない場合は、片方のヒザを立て、立てたヒザに両手を置き、それを押し下げるようにして立ち上がります。
[ 病院へ行こう ]
病院では、「内臓疾患等」の疑いがないかと、腰の状態について確認しましょう。レントゲン等の検査は、医師に必要性を確認した上で受けるようにしましょう。
また、以下のことを聞かれることが多いので、答えられるようにしておくと良いでしょう。
1. 問診でよく聞かれること
(1) いつなったか?
(2) 何をしてなったか(思い当たる原因があるか)?
(3) どうすると痛いか(じっとしてても痛い、痛くて身体がそらせない、など)
(4) どんな痛みか(ジンジンする、電気が走るような、など)
(5) 過去にぎっくり腰の経験があるか(初めて、何回目など)?
(6) 現在何か薬を飲んでいるか?
(7) 今回の痛みで別の病院にかかっているか?
(8) アレルギーがあるか(または飲めない薬があるか)?
(9) 現在別の病気やケガで病院にかかっているか?
(10) 妊娠しているか(女性の場合のみ)
2. 検査(レントゲンなど)後によく聞かれること
(1) 現在腰がどんな状態か(どこの部分がどうなって、今の痛みが生じているのか、など)
(2) 仕事(学校や動くこと)をしても大丈夫かどうか
(3) 仕事(学校や動くこと)が出来るまでどの位時間がかかるか
(4) してもいいこと(した方がいいこと)
(5) してはいけないこと(しない方がいいこと)
(6) 次の診察はいつがいいか
(7) (薬、湿布、コルセットなどが処方される場合)利用方法
痛みに少し余裕が出てきた方は、発生と痛みをみんなとシェアしてみませんか?
ギックリーでは、ぎっくり腰経験者の声を聞きたいのです。今後のサービスに活かすべく、痛みの原因を教えて下さい。
私の痛みはここから! シェアに協力する!
腰痛法人ギックリーが激しくお勧めしている書籍はこちらです。
病院に行っても骨の異常はないと言われたし、整体受けても、何度もぶり返すし・・・
という方はそのお金の1回を書籍に回して、知識で治す!という方法もいいのでは?と思っています。
【送料無料】 心はなぜ腰痛を選ぶのか サーノ博士の心身症治療プログラム / ジョン・E.サーノ …
価格:2,100円(税込、送料込)